Rodellar
3年目のRodellar。
D-man もリードできるようになったかな?
(それぞれの写真、クリックすると大きなサイズで見られます)

 Gorges du Tarnから直線距離で200km弱、そこはピレネー真っ只中。ここからトンネルをくぐれば、そこはスペイン。でも、羊さまのお通り。みんなイライラせずに車から降りてしばしの休憩。羊も?
 Rodellar から少し南にある Alquezar (アラブ語で”城”)という歴史の街(村?)。この村には11世紀中頃までイスラム教徒の重要な拠点(=城)があり、それが名前の由来。スペインは、8世紀初頭からキリスト教徒による国土回復戦争が完了する15世紀末まで、アラブの人たちに占領されていたので、地名など言葉の中にその影響が色濃い。”Al(定冠詞)”がついた単語のほとんどはアラブ語が語源。
 左上の岩壁にもルートあり。その壁の下、写真中央の城壁がある岩山の裏手に面した洞窟には、Tsunami(8c+/9a)なんて言うルートもある。
 右写真はセクターVentanas de Mascun から取ったもの。ひたすら青い空と、人工物が何もない風景、まず日本では見られない。
 Rodellar にも、ちゃんと初心者用のルートは用意されています。
 セクターFuente で、5〜6a のルートを登る D-man。

  子供をリードさせる場合に一番配慮しなくてはならないことは、クリップの位置。
 背が低い子供の場合、平均身長の大人がクリップする安定したポジション、特にしっかりしたスタンスから必ずしもクリップできない。一歩上がって微妙な格好でクリップするのを避けるため、長ヌン(連結ヌンチャク)を多用する。
 また、それでも不安定な格好になってしまう時は、ただでさえ手のひらが小さくてロープをカラビナにかけるのに苦労するので、すばやくクリップできるようにと『スーパー・クリップ』をビナにセット。
 Rodellar(Mascun渓谷)の真の主ヤギ。おとなしくて人間を全く無視した連中ですが、臭いが…。20〜30年間一度も洗ってない純毛のセーターと高濃度(?)の乳製品の臭いを混ぜたような…。彼らの姿を見かける前に、臭いで近づいて来るのがわかります。でも、50m遠方の彼らに臭いで気がついたHP管理人のほうが動物的?。
 いつもRodellar 村から川筋に降りて Mascun の谷底ばかりを行ったり来たりしていると反対側の山並みが気になるのも自然。
 この日は、一日かけてOtin という村までハイキング。そこは、渓谷下り(Mascun渓谷でクライミング以上に盛んなスポーツ)の前進基地で、ハイカーやキャンパーもたくさんいて、廃村なんだけど山小屋兼バルだけはあって、そこではパエージャも食べられる…はずでしたが、実際は何もないところでした。確かに山小屋兼バルはあっても荒れ放題。ただしメニューを書いたホワイト・ボードだけは妙に新しくて不自然でした。帰りのMascun渓谷の上流に出る道からは、奇岩に溢れる谷筋が一望できる。

 Otin で食べそこねたパエージャ。後日、河原で自分たちで作って食べました。アパートにパエージャ鍋はあるし、冷凍のパエージャ・セットを使って超簡単。
 D-man:『私にもできます』(なんか怖い笑い)
 Rodellar と同じ Huesca県にある Los Mallos de Riglos という岩山。漬物石を積み重ねてセメントで固めたような珍しい岩。高さ300mほど。もちろんクライミングの対象。マルチ・ピッチのルート、多数あり。車のすぐ脇から登り始めるルートもあって、アルカイン・クライマーには最適。夏は暑過ぎるけど。
 Huesca県のある Aragón地方の右は、Barcelonaを中心とした Catalunya地方。スペインを代表する芸術家の一人、Salvador Dalí が生まれた同地方Girona県Figueras市には、彼の作品ばかりを集めた遊び心いっぱいの美術館がある。
 左写真はスペインのバロック画家の巨匠ベラスケスをもじった作品。右写真は、美術館の中庭に置かれた”内側で雨が降る”車。これも立派な作品です。
 Figueras で Dalí美術館を訪れた後には、ちゃんと同じGirona県のピレネー近くの Montgrony という岩場にも寄ってます。夏に一日中登れるエリアではありませんが、朝早い時間と夕方にちょっと登るには問題なし。
 左右の写真は、6b+をトップ・ロープでトライする D-man。
 スペインと言えばフラメンコというのは大間違い。フラメンコはスペインの南部に限られた踊りと言っても過言ではありません。
 ちなみに Rodellar(Huesca県)のある Aragón地方には Jota と言う伝統的な踊りがあります。
 4枚の写真は、今回アパートを借りた Adahuesca村の村祭りの時のもの。衣装には山人の生活を感じます。歌詞には愛・生活をユーモアを交えたものが多いようです。
 さて今回の旅も終わりです。帰りの飛行機に乗るために、再びピレネーを越えてフランスのトゥールーズに向かいます。
 写真は、荷物を積み終えて、Adahuesca村のアパートの前にて。
 ¡Hasta la próxima vez! (また次ぎの機会まで)