Montsant

二年前にはアルボリッやシウラナに行く車の中から
眺めていただけのモンサン。
一部のエリアを除き、長い間知る人ぞ知る岩場でもあった。
でもスペインの山岳誌Desnivelやフランスのクライミング雑誌Grimperで
発表された以上、行くしかない。
と勇んで出かけた我が家。D-manの結果はいかに。

6b(5.10c) エリア:RACÓ DE MISSA
 朝一から太陽が当たりウォーミング・アップには最適。30メートルたっぷりのルートは、どこと言って核心はないものの、ひたすら上を目指す、まさに「攀じる」を感じさせてくれる。

他のショット(左隣の6b+)
6c+(5.11b) エリア:ENDERROCADA
 エリアの右端にあるので傾斜のある部分は短いけど、典型的な穴ルート。アーケにしないと-指を曲げないと-力の出ない『ぼよぼよ』と『よぼよぼ』には不向き。タンデュの得意なD‐manは、朝飯前。

核心のビデオ
6c+(5.11b) エリア:RACÓ DE MISSA
 最初6b+のルートと勘違いしてウォーミング・アップに登るが「なんかちょっと力がいるな」と思いながらも、D‐manにバトンタッチ。D‐man、目から火出しながらランナウトに耐えてオンサイト。最初から6c+とわかってたら...。

他のショット
7b/7b+(5.12a/b) エリア:ENDERROCADA
 ポケットは下に引くだけではなく、横方向に使ったり、またアンダーに使ったりといろいろ工夫できるのが面白いと思わされるルート。指先を引っ掛ける登りはビュークス・チック。でもビュークス知ってるクラーマーは古い?

ビデオ(ルート下部)
7a(5.11c) エリア:RACÓ DE MISSA
 上に行くにつれてレスト・ポイントがなくなる中身の濃〜いルート。「もう止めてテンションかけちゃお」という気持ちに耐えながら登る必要あり。D‐man、見事にオンサイト。

他のショット(D‐manはどこだ?)
7b+(5.12b) エリア:RACÓ DE MISSA
 一回目のトップ・ロープ・トライでは気軽にできたムーブがリードしたらできなくなったルート。そりゃ、ボルトを右下に見て右足に乗り込むようなムーブは気持ち悪いですよね。再度、トップ・ロープでムーブを固め、レッド・ポイント。

他のショット(ルート全景)
7a+(5.11d) エリア:RACÓ DE MISSA
 同じ壁にある他の2本(6c+、7a)より難しいのに、なぜか一番登りやすい素直なルート。ランナウトに慣れるのを待って、D‐man、無事にオンサイト。

他のショット
Purolitic 7a(5.11c) エリア:RACÓ DE MISSA
 上の7a+の右隣にあるルート。D‐man、ツアー前半、ランナウトに慣れていなかった時には泣きが入り下部敗退。後日、上部は初見ながらも一撃。

他のショット
7b+(5.12b) エリア:RACÓ DE MISSA
 ランナウトも調子が出てくれば全然気にならず。「落ちない」と思えば次のプロテクションまでの距離も念頭から消えます。そんなことを思わされたD‐manの登り。


Directa 7a+(5.11d)
 
エリア:TOTXO D'EN TUC (LA MUSSARA)
 下部に全てが凝縮したルート。取り付きでしっかりムーブを読んでおいて一気に行けばOK.。躊躇している暇はなし。D‐man、読み当たり一撃。
7c(5.12c) エリア:RACÓ DE MISSA
 少々被った壁で左手ガストンで右足に乗り込むムーブがなかなかできず一度目は文句ブツブツで敗退のD‐man。でも加重のタイミングさえつかめたら失敗しらず。上部はきちんと休みながら登る大切さを教えてくれたルート。

他のショット
Okemaka 7a(5.11c)
 
エリア:TOTXO D'EN TUC (LA MUSSARA)
 縦ホールドを多用。特に左の縦フレークから水平エッジを中継して右方の縦のすじを取る箇所は素早く足を抜く必要あり。ポケット・ルートとは違ったオーソドックスかつテクニカルなルート。グレードはともかく、これを一撃したD‐manに多彩なムーブをこなす力がついてきたのを感じさせられたと言ったら大げさかな?
7a+(5.11d) エリア:RACÓ DE MISSA
 ジャスト35メートルのモンサンならではの充実ルート。取り付きでムーブが読める短いルートとは違い、上りながらムーブを読み組み立てていかなくてはならない面白さを感じさせてくれます。壁が大きくてD‐manは豆粒のよう。30分以上にわたる奮闘の上、オンサイト。
Gat reggae 6c(5.11a)
 
エリア:CAN MELAFOTS(SIURANA)
 ひとつのエリアばかりに通うと、そこの岩は登れるけど…ということになりやすいです。いろいろなタイプの岩に触れることはクライミングのレベルをアップするには不可欠。モンサン近くのSIURANAは古くからある岩場で決して今風ではないですが、そのエリア数、ルート数には圧倒されます。
同じエリア、アンダーが使えず敗退した6c+のルート


夕日に染まる RACÓ DE MISSA の岩場とアプローチ。駐車場に車を置いた時の第一印象は「遠そう」。まあ30分ぐらい見ておけば充分。登りを感じるのは最初の10分ぐらい。景色も良いし、あまり気にならない歩き。終始、岩場と駐車場が両方見えている。


ENDERROCADA の岩場とアプローチ。岩だらけなので、歩き出しはどこが目指すべきエリアか皆目見当がつかず。レストの日に駐車場までの林道の様子を探りに行ったのですが、その日は一面の霧。林道は一部わだちが深く運転には気を使う。一回目の調査(?)の時は、ツルツルになった粘土質の部分に怯えUターン。初めての岩場はいろいろ苦労します。でも、この苦労もツアーの面白さのひとつ。スペインでも標識はカタラン語表記。


見ての通りの"ヨーロッパ"コマドリ。スペイン語ではPetirrojo。カタラン語ではPitroig。共に「胸赤」鳥という命名 もちろん雪も降ります。Villanova de Prades の岩場。2年前はイノシシ狩り真っ最中の猟銃をかまえた人に背を向け敗退。今回は雪に阻まれる。 牧畜民・遊牧民だったせいか、ヨーロッパのクライマーには犬連れが多いです。そういえば日本では自由に歩く犬を見ないなあ。


クルヌデージャ村のアパートから見た朝焼け。午前8時、ヨーロッパの朝は遅い。 Siurana村の駐車上から見たSerra Major (モンサンの岩場のあるマジョールの山々) Siuranaで登っての帰り道。午後6時。何でこんな色が出るんだろう。